個人年金保険とは?種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

個人年金保険とは、将来の生活資金や老後資金を確保するために、個人が加入する保険制度です。国民年金や厚生年金と違い、会社や公的機関とは関係なく自分で選ぶことができます。

本記事では、個人年金保険の種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説しますので、個人年金保険の選び方や確認ポイントを理解して、自分に合った年金保険を見つけていきましょう。

個人年金保険とは?

個人年金保険は、将来の生活資金を確保するための一つの方法であり、自分で任意に加入することができます

一般的には、定期的な掛け金を払い続けることで、契約者が一定の年齢に達した時から年金が受け取れるようになる制度で、所得控除が受けられる商品もあり、税金対策として利用されることもあります。また、死亡保障付きの商品もあるため、万が一の場合に遺族に保障ができる点もメリットです。

個人年金保険の契約期間は、掛け金の払込期間と受取期間に分かれており、それぞれの期間を自分の目的や生活設計に合わせて設定することが可能です。また、運用リスクを選択できる商品もあり、運用成果次第で受取金額が変動することもあります。

国民年金や厚生年金との違い

国民年金や厚生年金と個人年金保険の違いは、対象者や加入条件、給付内容などにあります

国民年金や厚生年金は、それぞれ国や企業が運営する公的年金であり、基本的には加入が義務付けられています。国民年金は全ての国民が対象で、厚生年金は会社員が対象です。これらの年金は、将来の老後資金を確保するための基本的な制度であり、受給条件や金額も一定です。

一方、個人年金保険は契約者が自主的に加入する私的保険であり、公的年金以外の補填を目的としています。個人年金保険には様々な商品が存在し、それぞれのニーズに合わせた選択が可能です。例えば、受取期間や金額を自由に設定できる点や、運用リスクを選択できる商品もあります。

また、個人年金保険は、公的年金の受給開始年齢が上がることや、社会保障負担増加などのリスクを補填する役割も持っています。しかし、個人年金保険の給付額や条件は、商品によって異なるため、自分に合った保険を選ぶことが重要です。

個人年金保険は3パターンで分類される

受取期間による分類

個人年金保険は、受取期間によって大きく分けて3つのタイプがあります。また、受取期間の設定によって、それぞれの商品の特徴や目的が異なります。

  • 終身年金: 契約者が生きている限り、給付が続くタイプ。老後の生活資金を確保する目的で選ばれることが多い。
  • 有期年金: 一定期間だけ給付が受けられるタイプ。受給期間や金額を自由に設定できるため、将来の生活費や医療費などのために利用されることが多い。
  • 確定年金: 被保険者である年金受取人が生存しているか死亡したかに関係なく、一定期間だけ年金を受け取れるタイプです。

これらのタイプは、それぞれの商品によって異なる条件やメリット・デメリットがあるため、自分の目的やニーズに合わせて慎重に検討することが大切です。

保証期間による分類

年金保険は保証期間によって大きく分類され、終身年金、有期年金、および一定期間生存が条件の年があります。

終身年金は、加入者が死亡するまで給付が続くタイプの年金保険であり、老後の生活費を確保する目的に適しています。確定所得に対する税の控除も受けられるため、所得税の節税効果が期待できます。ただし、終身年金の場合、解約による返戻金が低くなるリスクがあるため、注意が必要です。

有期年金は、契約者が指定した期間(例えば10年や20年)だけ給付を受けることができる年金保険です。給付期間が限定されているため、リスクが低いが、給付期間の終了後に資金が不足する可能性があります。将来の生活費や資産運用を計画的に行いたい場合に有益です。

一定期間生存が条件の年金は、契約件数が一定期間生存した場合にのみ給付が受けられる年金保険である。このタイプの年金保険は、生活費を確保する目的だけでなく、貯蓄や資産運用の一環として加入することが多いです。ただし、契約件数が期間内に死亡した場合、給付が受けられないリスクがあります。

払込方法による分類

年金保険は払込方法によっても分類され、一般的に、一括払い、定期払い、および毎月払いの3つの方法があります。

一括払いは、契約時に保険料を全額支払う方法です。この方法は、一度の支払いで将来の年金給付を確保できるため、金利変動やインフレの影響を受けにくいですが、資金が一度に支出されるため、現金が必要とされる場合には注意が必要です。

定期払いは、契約期間中に定期的(例えば年1回や半年に1回)に保険料を支払う方法です。この方法は、資金の支出を分散させることができ、予算管理がしやすい一方で、金利変動の影響を受けやすいため、将来の給付金額が変動するリスクがあります。

毎月払いは、毎月定額の保険料を支払う方法です。この方法は、毎月の支出を把握しやすく、資金の負担を最小限に抑えることができます。ただし、長期間にわたって保険料を支払い続ける必要があるため、継続性が求められます。

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個人年金保険と公的年金の違い

公的年金の仕組みと役割

公的年金は、国民が老後に安定した生活を送るために設けられた制度です。その仕組みは、現役世代が納める保険料によって資金を積立て、受給資格を満たした者に年金が支給されるというものです。公的年金は、老後の生活費を補助することで、高齢者が貧困状態に陥らないようにすることが目的です。

公的年金は、厚生年金、国民年金、共済年金の3つの種類があり、それぞれ対象となる人や金額が異なります。厚生年金は、企業や団体の従業員を対象としており、国民年金は、自営業者やパート・アルバイトで働く人、家族で生計を立てる人などが対象、共済年金は、公務員や教員、自衛官などが対象となります。

公的年金以外で埋める場合

公的年金以外で老後資金を埋める場合には、以下の方法があります。

  • 個人年金保険: 定期的に保険料を支払い、将来一定期間にわたって年金を受け取ることができる。メリットとしては、積立て期間に応じて金額が増加し、遺族がいる場合は死亡保障が付帯されることがある。
  • 貯蓄: お金を銀行や郵便局の預金口座に預けることで利息が付与される。ただし、現在の利息は低く、インフレによる資産減少のリスクがある。
  • 投資: 株式や投資信託を購入し、運用によって資産を増やすことが期待できる。リスクは高いが、リターンも大きいため、ポートフォリオを組むことでリスクを分散させることができる。
  • 不労所得: 賃貸物件や特許・著作権などで得られる収益。安定した収入を獲得できるが、物件管理や税金などの手間がかかる。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自分のリスク許容度や資産状況に応じて選択し、将来の生活費を確保することが重要である。また、相談や情報収集を行い、自分に適した選択をすることが求められる。

個人年金保険のメリット

個人年金保険料控除が受けられる

個人年金保険に加入すると、保険料控除が受けられます。保険料控除とは、所得税の計算時に保険料の一部を控除できる制度で、控除される金額は契約内容や年齢によって異なります。ただし、一定の条件を満たす必要があります。

  • 契約が確定給付型の個人年金保険であること。
  • 準備金が一定期間以上、一定金額まで達していること。
  • 商品が終身または有期であること。

また、対象となる保険は一般的な個人年金保険以外にも、終身保険や医療保険などの付帯年金商品があります。このような保険に加入している場合も、一定の条件を満たせば、保険料控除の対象となる可能性があります。

貯蓄が苦手でも計画的に貯められる

貯蓄が苦手な人でも、個人年金保険を使うことで、計画的に貯めることができます。個人年金保険は、毎月一定額を積立てることで、将来の年金受給を確保できます。

個人年金保険は、毎月一定額を積み立てることで、貯蓄習慣が身につき、払込期間や金額を自分で設定できるため、自分に合った計画を立てることができます。

個人年金保険のデメリット

インフレに弱い

個人年金保険は、給付金額が固定されているため、インフレに弱いというデメリットがあります。

インフレが進むと物価が上昇し、生活費が増加しますが、年金給付金額は変わらないため、実質的な購買力が低下します。契約した時よりも、インフレ率の方が金利を上回ってしまった場合、お金の価値が下がってしまうということです。

ただし、変額型の個人年金保険は、給付金額が物価変動に連動して変動するため、インフレの影響を受けにくいとされています。保険料が高くなることや、物価変動が予測しきれないリスクがあるため、自分にあったものをしっかり見極めましょう。

個人年金保険を受け取る際に税金がかかる

個人年金保険の受取には、税金がかかります。個人年金保険の受取に関しては、所得税および住民税が課されるためで、ただし、税金の金額は受取の状況や年齢によって異なります。

税金のかかり方は受け取り方によって違うため、税金の計算方法を知っておくことで、適切な税金の準備が可能となります。契約者が毎年受け取るのであれば、雑所得、一括であれば一時所得となり、これらは所得税の対象となります。

途中解約の期間が短いと返戻金が保険料を下回る

途中解約の期間が短い場合、返戻金が保険料を下回る可能性があります。

一般的に、契約期間が長いほど返戻金が高くなる仕組みですが、契約期間が短いと保険料よりも返戻金が下回る場合や、全く全く返ってこないことがあるので注意しましょう。

途中解約を回避するためには、保険料を一時的に減らす方法や、払込期間を変更する方法などがあります。これらの方法を利用することで、途中解約を回避し、適切な保障を維持しつつ、保険料の負担を軽減できます。

個人年金保険の選び方

給付期間と受け取り方法で選ぶ

保険商品を選ぶ際には、給付期間と受け取り方法に気をつける必要があります。給付期間は、保険金が支払われる期間のことで、一定期間や終身などがあり、受け取り方法には、一括受取や定期給付、分割受取などがあります。

給付期間を選ぶ際のポイントは、将来の生活設計や老後資金の準備といった目的に応じて決めることが大切です。一定期間の保険金は、契約期間が経過すると受給が終了するもので、一般的には年金保険や変額保険が該当します。一方、終身保険は、保険契約者が死亡するまで保険金が支払われ続けるもので、年金保険や終身保険の選択があります。

受け取り方法は、自分の生活状況や資金管理に適した方法を選ぶことが重要です。一括受取は、保険金を一度に受け取る方法で、金額が大きく、利用計画が明確な場合に適しています。定期給付は、保険金を一定期間に分けて受け取る方法で、毎月の生活費を補う目的や、将来の予定不安を解消する計画に適しています。分割受取は、保険金を複数回に分けて受け取る方法で、医療費や教育費の支払いなど、特定の費用が必要な時期に適しています。

受け取れる金額で選ぶ

受け取れる金額を選ぶ際のポイントは、保険金が将来的にどの程度必要かを考慮し、適切な保険金額を選ぶことが大切です。具体的には、家族構成や収入状況、将来の予定を考慮した上で、どれだけの資金が必要かを見積もり、それに応じた保険金額を選びます。

保険金額を選ぶ際には、以下に注意して選ぶようにしましょう。

  • 生活費の推計
  • 住宅ローンや教育費などの返済
  • 医療費の準備
  • 老後資金の確保

払込方法で選ぶ

年金保険は払込方法によっても分類され、一般的に、一括払い、定期払い、および毎月払いの3つの方法があります。。

毎月払いは、毎月一定の金額を払込む方法で、将来の生活費を確保するために利用できます。一方、一括払いは、一度の払込で契約が完了する方法で、資金が十分にある場合や不安を感じている場合に選択されることが多いです。

それぞれの払込方法の特徴とメリット、デメリットを解説します。

毎月払い

  • メリット: 資金が少なくても加入できる、毎月の負担が少ない
  • デメリット: 総額が高くなる可能性がある、途中で解約すると返戻金が少ない

一括払い

  • メリット: 払込期間が短く、早期に保障が始まる、総額が安くなる可能性がある
  • デメリット: 資金が十分でない場合には加入できない、元本が保証されないリスクがある

払込方法を選ぶ際は、自分の資金状況や将来の生活設計、リスク許容度を検討し、適切な方法を選択しましょう。また、契約条件や運用方法にも注目し、個人年金保険の種類や性格を理解して選ぶことが重要です。

個人年金保険の返戻率

個人年金保険の返戻率は、保険会社が契約者に戻す資金額に対する割合を示します。返戻率が高いほど、保険会社がより多くのお金を戻すことになり、加入者にとってはメリットが大きいと言えます。返戻率は、契約者が払込んだ金額と、受給期間中に受け取る金額の比率で計算されます。

返戻率は、保険会社の運用成果や費用によって変動します。また、加入期間や払込期間、準備金利率なども返戻率に影響する要素となります。そのため、個人年金保険を選ぶ際は、返戻率を比較検討することが重要です。

個人年金保険の返戻率の計算方法

個人年金保険の返戻率の計算方法は、以下の通りです。

  1. 払込期間中に支払う総額を算出します。これは、払込金額に払込回数を掛け算したものです。
  2. 受給期間中に受け取る総額を算出します。これは、年金受取額に受給回数を掛け算したものです。
  3. 受給期間中に受け取る総額を払込期間中に支払う総額で割り、返戻率を求めます。

ただし、実際の返戻率は、保険会社の運用成果や費用、元本保証状況などによって変わります。そのため、契約前に保険会社や商品に関する情報を十分に確認し、自分に適した個人年金保険を選ぶことが重要です。

予定利率とは何が違う?

予定利率は、保険契約者が加入する生命保険や年金保険の商品において、保険会社が運用資産から得ることを見込んだ利益率のことです。保険会社が運用を行い、運用成果が一定期間(長期)にわたって安定して得られることを前提にして設定される利率であり、その予定利率によって保険料や給付金が計算されます。

一方、実際に運用される資産によって得られる利益率は、経済状況や金利の変動など様々な要因によって変化するため、予定利率とは必ずしも一致しない場合があります。運用成果が予定利率を上回る場合、保険会社は「返戻金」という形でその利益を保険契約者に還元することが一般的です。

よくある質問

個人年金保険は何のためにあるんですか?

個人年金保険は、老後の生活資金を準備する目的で加入する保険商品です。公的年金や企業年金だけでは不安と感じる場合や、老後の生活費を補完・増やすため、将来的に必要な資金を確保することができるように設計されています。

個人年金保険に加入することで、一定の期間保険料を払い込み、契約期間が終了すると、定期的な年金が受取れるようになります。また、一部の商品には、死亡保障や医療保障、介護保障などの付帯保障が設定されている場合もあります。

個人年金は何年払えばもらえますか?

個人年金保険の受取開始条件は、商品によって異なります。一般的には、保険料払込期間と呼ばれる期間が設定されており、その期間中に保険料を払い込むことで、定められた年齢や時期から年金が受取れるようになります。

例えば、10年払いの個人年金保険があれば、加入者は10年間保険料を払い込むことで、契約満了後の定められた年齢から年金を受け取ることができます。また、払込期間が終了した後も、年金受取開始時期までの間に運用成果が積み上がり、受取金額に影響することがあります。

個人年金保険が払われる前に死亡したらどうなりますか?

個人年金保険が払われる前に死亡した場合、保険契約者の遺族に対して保障(死亡補償や遺族年金など)が提供されます。

ただし、保険商品によっては、死亡保障が付帯されていない場合もありますので、加入前に商品の内容を確認することが重要です。

また、遺族が受け取る金額は契約内容や死亡時の年齢によって異なります。死亡保障が適用される場合には、遺族に一定の金額が一括で支払われますが、遺族年金の場合は、一定期間にわたって定期的な支払いが行われます。

個人年金保険は確定申告が必要でしょうか?

個人年金保険に関する確定申告の必要性は、受け取る年金の種類や金額によって異なります

例えば、一般的な確定拠出型の年金保険の場合、所得税法により税制優遇が受けられるため、確定申告を行うことで税額が軽減されます。

また、所得税が源泉徴収されていない年金については、確定申告が必要となります。これには、生命保険会社から受け取る年金や海外からの年金も含まれます。

まとめ:個人年金保険で安定した将来を見据える

個人年金保険は、将来の生活を安定させるための重要な資産形成手段です。死亡保障や遺族年金などの適切な保障を選ぶことで、家族の将来も安心できます。

また、確定申告によって税額が軽減されるメリットもありますので、自分に適した年金保険を選び、確定申告を上手く活用しましょう。

今回の情報を参考に、ぜひ個人年金保険の加入を検討してみてください。次のステップとして、保険商品を比較し、自分に適した保険を見つけることが大切です。選択肢が多く煩雑に感じる場合は、専門家に相談することも一つの方法です。

※本ページの記載内容は、2023年12月現在の社会保障制度、税制を元に記載しています。
詳細については、各制度の窓口や所轄の年金事務所、税務署等にお問い合わせください。

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