学資保険とは?子どもの教育資金を守る仕組みをわかりやすく解説!

子どもの教育資金は、親にとっての大きな悩みの種です。学資保険は、その悩みを解決する手段の一つです。
この記事では、学資保険の仕組みやメリット、デメリットをわかりやすく解説し、選び方や相場、保険以外の教育資金準備方法について解説していきます。
この記事を参考に、子どもの将来の教育資金を守る最適な選択をしましょう。
学資保険とは?
学資保険とは、子どもの教育資金を準備する目的で加入する保険契約の一種です。教育費用に対する保障が提供され、特定の学校や時期に使用される資金の準備を実現します。
子どもが進学する時期に合わせて、保険金が給付される仕組みとなっています。例えば、子どもが大学入学時に多額の教育費が必要となる場合、学資保険を利用することで、計画的に資金を準備することが可能です。
また、学資保険には生命保険としての死亡保障や医療保障のオプションを付加することができ、親が亡くなった場合の教育費や、こどもが怪我・病気をした場合の治療費などの保障を受けることが可能です。
学資保険のメリット
1.教育資金の積立を計画的に行える
学資保険の最大のメリットは、教育資金の積立を計画的に行えることです。子どもが進学するタイミングに合わせて保険金が支給されるため、教育資金が確保されることが保障されます。
また、保険料を毎月定期的に払い込むことで、親が無理のない範囲で貯蓄を積み立てることができ、学資保険は税制優遇措置の対象となる場合があり、所得控除が受けられることがあります。
これにより、親は節税効果を活用しながら、子どもの教育資金を効率的に準備することができます。
2.万が一のことがあっても教育費を準備できる
学資保険は、万が一の事があっても教育費を準備できるという安心感を提供します。教育費は大きな負担であり、親として子どもの進学に必要な資金を計画的に準備することが重要です。しかし、病気や事故により働けなくなった場合、家族の生活費や医療費でお金が不足してしまうことがあります。そんな時に、学資保険が役立ちます。
学資保険は、大学や高校への進学に必要な資金を保障するための保険です。契約者が死亡した場合、保険会社から一時金が支払われ、子どもの教育費を賄うことができます。また、定期的に受け取れる給付金は貯蓄に役立ち、契約者が病気や事故により働けなくなった場合には、保険料免除が適用されることもあります。
3.生命保険料控除が受けられる
生命保険料控除とは、所得税法に基づき、生命保険料を一定額まで所得から差し引くことができる制度です。学資保険は生命保険の一種であるため、この制度を利用することが可能です。
生命保険料控除により、年間の所得税負担が軽減されることが期待できます。また、保険料が高額になる場合でも、控除制度を利用することでお金の負担が減ります。ただし、控除額は所得や払込期間、保険会社によって異なるため、選ぶ際に注意が必要です。
生命保険料控除を利用するには、確定申告が必要です。ただし、給与所得者であれば、所得税の源泉徴収時に控除額が適用されることもあります。
学資保険のデメリット
1.早期解約すると、元本割れすることがある
教育資金や将来の生活費を保障するために、保険会社と契約する際には、契約期間や満期時の返戻金額などを検討して決めることが重要です。しかしながら、契約を途中で解約すると元本割れすることがあるため注意が必要です。(元本割れ:投資や保険の返戻金が元々の投資額や保険料を下回ること)
元本割れをする主な理由は、契約者が払込んだ保険料の一部が、保険会社の販売費用や契約手数料に充てられるためです。契約期間が短いほど、これらの経費が大きくなります。したがって、運用期間が短い場合には、元本割れのリスクが高まります。
元本割れのリスクを回避する方法としては、適切なプランを選ぶことや、契約内容を総額で確認する必要があります。
2.インフレに弱い
教育資金を保障する保険商品は、一般的にインフレに弱いと言われています。インフレとは、物価が上昇し、貨幣の価値が低下する現象です。インフレが進むと、教育費や医療費などの生活費が増加し、保険の給付金額が相対的に低くなる可能性があります。
インフレに対応するためには、保険商品の選び方だけでなく、貯蓄や投資などの資産運用も検討することがポイントです。
インフレ対策として保険商品を選定する際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 保険会社の信頼性や運用実績を確認する
- 商品のリスクや運用先を理解する
- ポリシー内容を詳細に確認し、適切な保障を選択する
- 無料相談を活用し、専門家の意見を参考にする
インフレに弱い保険商品を選ぶ際は、これらのポイントを踏まえて慎重に商品選びを行い、将来のリスクに備えましょう。
3.お金を簡単に引き出せない
学資保険は、将来の教育資金を準備する目的で契約する保険商品であるため、簡単にお金を引き出すことができません。
- 学資保険は、契約者が指定した時期(例えば、子どもが大学に入学する年齢)に保険金が支払われることを前提としています。そのため、契約途中でお金が必要になった場合でも、容易に引き出すことが難しい場合があります。
- 一部の学資保険では、契約途中で一定の手続きを踏むことで、お金を引き出すことができますが、その際には手数料や税金が発生することがあります。また、お金を引き出すことによって、将来の保障内容が変わる可能性もあります。
以上の理由から、学資保険はお金を簡単に引き出せないというデメリットがあります。そのため、学資保険を検討する際は、教育資金だけでなく、緊急時の資金需要にも注意して契約を検討することが重要です。
大学進学までに必要な教育資金はどれくらい?
大学進学に必要とされる教育資金は、さまざまな要因によって異なりますが、日本の平均的な大学進学費用では、国立大学で約4~6年間で1,000万円、私立大学で約1,500~2,000万円が目安とされています。
ただし、これらの金額はあくまで目安であり、将来的な物価変動や家庭の事情によって変わることがあります。
そのため、具体的な教育資金を準備する際は、個人の状況や進学にかかる費用を確認し、適切な計画を立てることが重要です。
学資保険はいつから加入できる?
加入可能年齢は、商品によって違う
保険商品には、加入可能年齢が異なるものが数多くあります。保険会社や商品のタイプによって、加入できる年齢が制限されることがあります。
学資保険は、子どもが小学校に入学する前や、大学進学を控えたタイミングで資金準備として加入することが一般的です。
加入可能年齢を確認する際には、まず保険会社の公式サイトや資料を参照し、商品の概要や契約内容をよく読むことが大切です。また、保険相談窓口を利用して、専門家に相談する方法も効果的です。
中には妊娠中から加入できるものもある
子どもの教育に備える保険の中には、妊娠中から加入できる保険商品も存在します。これらの商品は、妊娠中の女性やそのお子さまに対して、病気やケガの治療費用を保障する目的で設計されており、出産費用や新生児の保障が含まれるものもあります。
妊娠中の保険商品選びでは、医療費用や出産費用の保障以外にも、長期的な子どもの教育資金や将来の生活費の確保を考慮した商品選びが求められます。そのため、総合的なポイントを検討し、自分や家族のニーズに最も適した保険商品を選ぶようにしましょう。
中学・高校進学時の保険ポイント
中学・高校進学時において、ますます学資保険が重要になってきます。子どもの進学準備に必要な費用や将来の教育資金を確保するために、おさえておくべきポイントは以下です。
教育資金の保障
中学・高校進学時には教育費用が高くなるため、万が一の事態に備えて資金を保障する必要があります。子どもの成長に合わせて進学資金を準備が必要になるため、契約期間や金額を検討し、子どもの進学時期に合わせて適切なプランを選びましょう。
医療保障
子どもの成長期には病気やケガが起こりやすいため、医療保障を含む保険を検討することが重要です。適切な医療保険を選ぶことで、子どもの医療費用を確保できます。
学資保険の選び方
返戻率(へんれいりつ)
返戻率(へんれいりつ)とは、保険契約者が掛け金に対して受け取ることができる金額の割合を示す指標であり、保険商品の性能や価値を判断する際の重要なポイントとされています。契約期間中に支払われる保険料の総額に対し、保険会社が給付金や満期金、解約返戻金などの形で還元する金額の割合を示しています。
返戻率が高い保険商品は、加入者にとってリターンが高いとされる一方で、保険会社にとっては利益率が低くなる可能性があります。しかし、返戻率だけで保険商品を選ぶのは注意が必要で、契約内容や対象となるリスク、保障範囲なども検討する必要があります。
返戻率を上げる方法
給付回数を減らす
保険契約者が返戻率を上げる方法の一つとして、給付回数を減らすことが挙げられます。給付回数を減らすことで、保険会社にとっての負担が減少し、その分返戻率が上昇する可能性があります。
例えば、定期年金や終身年金の契約を見直し、給付回数の少ない商品に変更することで、返戻率が向上することがあるでしょう。ただし、給付回数を減らすことで、保障範囲が狭まるリスクも存在するため、自分のライフプランや将来のニーズに合った商品を選ぶことが重要です。
払込期間を短くする
返戻率を上げる方法として、払込期間を短くするという手段もあります。短い払込期間によって将来の金利リスクを抑えられるため、子どもの進学時期に資金を確実に用意できる確率が高まります。
また、短い払込期間は無駄な出費が少なく、効率的な資金運用が可能です。保険会社への払込金額が少なくなるため、運用リスクが低くなり、安全性も向上します。
しかし、払込期間を短くする場合、毎月の保険料が高くなる可能性があるため、家計と相談しながら適切な期間を選ぶことが重要です。また、払込期間が短くなると、満期のタイミングが遠くなるため、手続きやスケジュールの管理も計算しておく必要があります。
その他の保障や特約は付けない
返戻率を上げるには、その他の保障や特約は付けないことがおすすめです。その理由として、必要以上の保障はコストがかかるばかりでなく、本来の目的である教育資金の確保に支障をきたす場合があるためです。
例えば、医療特約や介護特約などをオプションとしてつけると、結果的に月々の保険料が上がり、必要な教育資金の準備が難しくなることがあります。
満期の設定
満期設定は、保険契約の期間を決定する重要なポイントです。満期を適切に設定することで、教育資金や生活費の保障をしっかりと確保できます。
まず、満期の設定には将来の教育資金や医療費の想定が必要です。子どもの進学時期や大学入学時の費用、将来の結婚資金や老後の生活費などを考慮した上で決定します。
さらに、契約件数や保険金額によっても満期の設定が変わってきます。学資保険や定期保険などの商品ごとに期間が設定されている場合があるほか、保険会社によっても、提供する保険商品の満期設定が異なるため、複数の会社を比較検討することが重要です。
満期時に受け取れる金額
満期時に受け取れる金額は、保険料の払込総額や保険商品の種類、契約期間によって異なります。大きく分けて、教育資金や老後資金を準備するための満期金、死亡保障や医療保障が付いた終身保険や年金保険の満期給付金があります。
満期金を受け取るタイミングは、子どもの進学や就職、結婚などのライフイベントに合わせて設定されることが一般的です。満期金額は、保険会社や商品によって異なるため、事前に契約内容をしっかりと確認することが大切です。また、満期金の受取には税金がかかる場合があるため、税金の影響も考慮に入れておくことが推奨されます。
学資保険の相場はどれくらい?
学資保険は、子どもの教育資金を保障するための保険商品であり、その相場は契約内容や保険会社によって異なります。具体的な金額を検討する際には、以下のポイントに注意してください。
- 契約期間:学資保険の契約期間は、通常、子どもが小学校に入学する前から大学卒業までに設定されます。期間が長いほど、毎月の保険料が安くなりますが、その分総額は増加します。
- 保障内容:学資保険には、死亡保障や医療保障などが含まれている場合があります。保障内容が充実しているほど、保険料は高くなります。
- 進学準備金:進学準備金とは、大学進学時に一括で受け取れる金額のことで、これが多いほど保険料が高くなります。逆に、準備金が少ない場合は、保険料が安くなります。
一般的な相場として、学資保険の月額保険料は、1万円前後と言われています。ただし、保険会社や商品によっては、5,000円程度からも契約できるものもあります。
最適な学資保険を選ぶためには、まず、自分の家庭の教育資金の目的や予算に合わせて複数の保険会社や商品を比較検討し、無料相談サービスを利用して専門家の意見を聞くことが重要です。
大学卒業までに教育費はいくら必要?
大学卒業までに必要な教育費は、子どもの進学先や学校の種類、生活費や学習支援費などによって大きく異なります。
- 学校教育費:公立小学校・中学校は無料ですが、私立学校や高校・大学では学費がかかります。高校の学費は、公立が年間約50万円、私立が年間約120万円が目安です。大学では、国公立大学が年間約50万円、私立大学が年間約100万円以上が一般的です。
- 住居費:大学進学先が地元から遠い場合、下宿やマンションなどの住居費が発生します。一般的な家賃相場は、都市部で月3万円~5万円、地方で月2万円~4万円程度です。
- 生活費:交通費や食費、娯楽費などの生活費も学生生活において重要な要素です。月額5万円~10万円程度が一般的とされています。
- 学習支援費:塾や家庭教師など、学習支援にかかる費用も考慮に入れる必要があります。月額1万円~3万円程度が目安です。
これらの費用を総合すると、大学卒業までにかかる教育費は、公立高校・国公立大学の場合で約2,000万円前後、私立高校・私立大学の場合で約3,000万円前後が目安となります。
ただし、これらはあくまで一般的な例であり、個々の状況によって大きく異なるため、具体的な計画を立てる際には、家庭の財政状況や子どもの進学希望を検討し、適切な教育資金準備を行うことが重要です。
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」/ 日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」
学資保険の受取総額の平均は?
学資保険は子どもの教育資金を保障する商品であり、契約期間や保険料によって受取総額が変わります。一般的な学資保険の受取総額の平均は、高校卒業時に約300万円~500万円となることが多いです。ただし、この金額はあくまで一般的な目安であり、具体的な金額は保険会社や商品によって異なります。
学資保険の受取額を検討するポイント
- 学資保険の目的: 子どもの進学や将来の生活費を確保するためのもの
- 学資保険の金額: 大学進学や生活費に必要な資金を考慮し、適切な保障額を選択
- プランの選び方: 個人のライフスタイルや経済状況に合わせたプランを選択
また、受取総額を確認するためには保険会社の資料請求や無料相談が利用できます。これらのサービスを活用し、複数のプランや商品を比較検討して適切な学資保険を選んでください。
学資保険の月々の保険料の平均は?
学資保険の月々の保険料は、一般的に5000円~1万5000円程度の範囲内で設定されていることが多いです。この保険料の平均は、具体的な金額ではなくあくまで目安として捉えることが重要です。
月々の保険料を決定するポイント
- 学資保険の目的: 子どもの将来の教育資金を準備するために適切な保険料を検討
- 貯蓄能力: ご自身の家計や貯蓄能力に合わせた保険料を選択
- 保険期間: 子どもの進学時期や保障が必要な期間を考慮
また、保険会社の無料相談や資料請求を利用して、複数の保険会社や商品を比較検討することがおすすめです。これにより、最適な学資保険を選択することが可能となります。
保険以外の教育資金準備方法とその活用
教育資金貯蓄の定期預金や投資信託
教育資金貯蓄には定期預金や投資信託が有効な方法です。定期預金は金利収入が期待でき、リスクが低い一方で、投資信託はリターンが高い可能性がありますが、リスクも高くなります。
定期預金の場合、銀行や信用金庫などで期間を決めてお金を預けることで金利収入が得られます。しかし低金利が続く現在では、利益は限定的ですが、リスクが低いため安心して運用できます。
投資信託は、複数の銘柄に分散投資することでリスクを抑えた運用が可能です。しかし、市場状況に左右されるため、リターンや元本保証がない点に注意が必要です。
教育資金貯蓄を始めるタイミングは早ければ早いほど良いですが、お子さまの成長に応じて計画を見直すことも大切です。運用の方法やリスクについてしっかりと理解し、自分に合った選択をすることが肝心です。
奨学金や教育ローンの利用
奨学金や教育ローンを利用することで、教育資金の負担を軽減できます。奨学金は無利子または低利子で、返済期間も長いため負担が少ないです。一方、教育ローンは利息が発生しますが、返済条件や金利が銀行ごとに異なります。
奨学金は国や地方公共団体、民間団体から支給されるものがあります。収入や学業成績に応じて支給されるものや、特定の条件を満たす必要があるものもあります。
教育ローンは金融機関が提供しており、金利や返済条件が異なります。利用する際は、複数の金融機関を比較して検討しましょう。
まとめ:検討ポイントを押さえた保険選びで安心な教育資金準備を
安心な教育資金準備のためには、検討ポイントを押さえた保険選びが重要です。定期預金や投資信託、奨学金や教育ローンなど、利用できる資金調達方法を検討しましょう。
今回紹介した情報を参考に、教育資金準備に関する検討を進めてください。さらに詳しい情報が必要な場合は、専門家や無料相談を活用し、適切な選択をすることが大切です。
※本ページの記載内容は、2023年12月現在の公的医療保険制度、社会保障制度に基づいて記載しています。
詳細については、各制度の窓口や所轄の年金事務所、税務署等にお問い合わせください。
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